3年ぶり2戦連発で難敵を討つ!

 J2札幌は今日16日、Shonan

 BMWスタジアム平塚で開幕2連勝の湘南と対戦する。前節山形戦で今季初得点を挙げたFW前田俊介(27)は、11年以来の2試合連続得点を目標に掲げた。札幌では過去6得点も、決勝点は1度だけ。山形戦も追いつかれ勝ち点1にとどまった。3年前に連発した同じピッチ、相手との対戦で再び爆発し、今度こそ勝利につなげる。

 いつも通り、前田がひょうひょうと臨戦態勢を整えた。全体練習後、黒のニット帽を目深にかぶり、今にも止まりそうな速さで、1人じっくりとランニング。グラウンド脇に倒れると、おもむろに武器の左足首をストレッチして準備を終えた。前節山形戦で今季初得点を挙げたが、気負いはない。「まあ、次も点が取れるよう頑張ります」。短いメッセージに、湘南討ちへの闘志を秘めた。

 山形戦は先制点も追いつかれドロー。勝利にはつながらなかった。前半ロスタイムには、ゴール前の決定機を右に外し、勝ち越しチャンスを逃した。「今度は勝ち点3につながる得点を決めないと」。札幌移籍後6得点も、決勝点は昨年8月21日の愛媛戦の1度だけ。この試合も後半途中出場のレ・コン・ビンがCKでアシストデビューを飾ったため、大きくクローズアップされることがなかった。今度こそ好機を確実に得点につなげ、主役になる。

 場所は前回2戦連発した11年8月7日と同じ、平塚での湘南戦。3年ぶりの連発に向け「DF裏に抜け出す動きを続けていけば得点につながる。継続したい」と言った。ドリブルが特長の選手も、味方が持ったときのフリーランニングもうまく、山形戦は菊岡の縦パスに抜け出してゴールした。3年前の得点も、FW森島からのパスに抜けだし、右サイドから左足で巻いてゴール左に流し込んだ。ゴールをお膳立てするのが好きなタイプだが、今季は「使われる前田」の部分も生かしゴール量産を狙う。

 昨季チーム得点王のエース内村が左足首痛を抱えながらの出場とあり、まだ100%ではない。攻撃の軸として前田にかかる期待は高まっている。前線をゆらゆら動き回り、一瞬でスペースをかぎ分けるセンスはチーム一。11番の決定力で、2戦無失点の難敵湘南ゴールをこじ開ける。【永野高輔】