<J1:徳島0-4清水>◇第8節◇19日◇鳴門大塚

 清水はアウェーで徳島に快勝し、今季初のリーグ戦3連勝を飾った。前半11分にFWノバコビッチ(34)が挙げた先制点を皮切りに、攻撃陣が爆発。同19分に再びノバコビッチがネット揺らすと、後半31分にFW高木俊幸(22)、同ロスタイムにもFW大前元紀(24)が続いた。守備陣もGK櫛引政敏(21)がPKを止めるなど、3試合連続の完封だ。J1初勝利を狙う相手を蹴散らした。

 清水が圧倒的な実力差を示した。後半ロスタイム。FW大前が決めた4点目が、この日の試合を象徴していた。ゴール前でパスを受けると、反転からのキックフェイントで1人目のDFをかわす。カバーに入った2人目のDFも左足でかわし、最後は間合いを詰めたGKまでもトーキックでタイミングを外してネットを揺らした。「相手の動きも全部見えていたし、冷静に決められた」。必死に食らい付く守備陣をあざ笑うかのように先手を取った。

 キックオフ直後から主導権を握った。前半11分。大前のパスからFWノバコビッチが先制点を決めると、同19分にはゴール前のこぼれ球を再びノバコビッチが押し込んだ。同31分に迎えたPKのピンチにはGK櫛引がシャットアウト。相手に渡りかけた流れを再び引き寄せると、後半31分には途中出場のFW高木俊が、大前のスルーパスから右足で決めた。放ったシュートは今季最多タイの12本。被シュート数も今季最少の4本と、最後まで徳島を寄せ付けなかった。

 これで、3試合連続の完封となり、今季初の3連勝。守備陣の安定に加えて、大前とノバコビッチが2戦連発と好調だ。さらに、高木俊にも開幕戦以来のゴールが飛び出した。大前は「俊が取ったことはチームに良い影響を与えてくれる」。アフシン・ゴトビ監督(50)も「彼(高木俊)はゴールを取ると生まれ変わる。今後も取ってくれるはずだ」と、笑った。これで暫定ながらも順位は6位まで浮上。上位追い上げへの準備が着々と整ってきた。【前田和哉】