<J2:山形1-0富山>◇第11節◇3日◇NDスタ

 山形が劇的な勝利を収め、石崎信弘監督(56)は通算300勝(旧JFLを含む)を達成した。後半から出場したFW万代宏樹(28)のロスタイム決勝ゴールで1-0で富山に競り勝った。3試合ぶりのホーム白星で4勝3分け4敗の勝ち点15とし、前節の15位から11位に浮上。中2日で迎える6日のアウェー群馬戦に勢いをつけた。

 山形が第6節愛媛戦(4月5日)以来、約1カ月ぶりのホーム勝利に酔った。石崎監督が後半途中から投入したFW2人が期待に応える。ロスタイム、ゴール前で山崎のリターンパスを受けた万代が決勝ゴールを決めた。万代は「ザキさん(山崎)がよく見ていてくれた。あまりゴールを見ないで感覚で打った」。相手GKが反応できないシュートだった。

 石崎監督にとって記念の白星になった。NEC山形で監督業をスタート以来積み上げてきた勝利は20年目の節目に300に到達した。「JFLも含めてじゃからね。でも、いろんなチームでやってきて、すべて選手の頑張りのおかげ」と教え子たちに感謝した。

 この日はチーム関係者全員が左肩に喪章をつけいた。闘病中だったチームドクター小関大平氏(こせき内科消化器クリニック院長)が1日、48歳で亡くなった。昨年末、胃腸の調子が悪くて診察を受けた万代は「小関先生は病気になっても試合を見に来て声をかけてくれた。勝ててよかった」と話した。

 4月26日~5月11日のホーム千葉戦まで中2~4日の連戦が続く。石崎監督は「まだ連勝してないので何としても勝って山形に戻ってきたい」と、6日のアウェー群馬戦での勝ち点3を誓った。【佐々木雄高】