J2磐田は8日、ドイツ2部カールスルーエからオファーを受けているMF山田大記(25)の移籍を容認することを明かした。山田はこの日練習を欠席し、今後も練習に参加しない。加藤久GMは「(山田の)海外への気持ちが強く、彼の事情を尊重して行動の制限はしないことにした」と説明した。

 カールスルーエから獲得の正式オファーが届いたのは6月17日。クラブは目標のJ1昇格のため、主力でチーム主将の背番号「10」にシーズン終了後の移籍を含め慰留してきた。だが、プロ入り直後から海外でプレーの夢を口にしてきた山田の意思は固く、クラブも慰留を断念することになった。加藤GMは「前半戦を終え、後半戦に向けいっそうの団結を高めないといけない時期。中途半端な状態でいるのはお互いよくない」と話した。

 現在はまだ、クラブ間で移籍の正式合意には至っていないが、移籍は決定的な状況だ。シャムスカ監督(48)は「この時期に抜けるのはサプライズ。ただ、彼の夢でもある。選手たちには常々、犠牲心をもって仲間のために夢をかなえてあげなさいと伝えている。強い選手たちが残ってくれるので目標達成のチーム力はある」と山田へのエールを口にした。

 チームメートも夢に向かう山田を後押ししているという。クラブ間交渉も大詰めで、あとは正式合意を待つばかりだ。

 ◆山田大記(やまだ・ひろき)1988年(昭63)12月27日、浜松市生まれ。小学時代はジュビロ浜北でプレー。磐田ジュニアユース、藤枝東高を経て明大に進学。07年に関東リーグ優勝。3年時は大学選手権優勝。11年に磐田に入団。13年7月、東アジア選手権日本代表で2試合出場。J1通算90試合22得点。今季J2で17試合3得点。174センチ、69キロ。血液型O。