<天皇杯:磐田2-0藤枝>◇12日◇2回戦◇ヤマハ

 J2磐田はJ3藤枝を下し、順当に3回戦にコマを進めた。磐田は前半0-0で終えたが、後半16分に今季初先発のFW金園英学(25)が自身で得たPKを決め先制すると、同45分にもダメ押し点を押し込み勝負を決めた。

 今季初先発の金園が2得点でチームを勝利に導いた。途中出場した3月30日の栃木戦以来、3カ月半ぶりの得点。1点目は自身で得たPKを立候補して決めた。「どうしても点を取りたかったから。W杯でもストライカーがPKを決めてるし。プロになって初めてPKを蹴りました」。相手GKの動きを見極め冷静に左に押し込んだ。試合終了間際にはカウンターからダメ押し点を決め「今日、点が取れなかったらクビになるぐらいの覚悟を持って臨んだ。決められてホッとした」と笑顔を見せた。

 初戦の難しさは分かっていた。J1鹿島、仙台、神戸が敗れる波乱もあった。磐田も相手のプレスに苦しみ、前半終了でサポーターからブーイングを浴びたほど。後半にシャムスカ監督(48)はFW阿部吉朗を投入しシステムを4-2-3-1から4-4-2に変更。エリア内にかける人数を多くする狙いが的中し、後半2得点で勝負を決めた。シャムスカ監督は金園に「しっかりと能力を発揮してくれた」と合格点を与えた。リーグ戦では途中出場の9試合1得点と苦しんでいるが「90分出るのがサッカー選手の醍醐味(だいごみ)。リーグでも90分出られるように頑張りたい」と前を向いた。【岩田千代巳】