<J1:C大阪1-2川崎F>◇第12節◇15日◇金鳥スタ

 スイス1部バーゼルに移籍するC大阪の日本代表FW柿谷曜一朗(24)は、ラストゲームを白星で飾ることはできなかった。川崎F戦に後半38分から途中出場したが、ゴールはならず敗戦。セレモニーでは何度も涙で声を詰まらせ、サポーターとの別れを惜しんだ。

 「正直、すごく悩んだ。自分からこの8番のユニホームを脱ぐというのはどうしてもしたくないことだった。ただ、W杯を経験して、もっともっと強くならないといけないと思った。優勝してから出て行くと言っていたのに、自分から出ていくことを選び、本当に申し訳ない。今よりももっともっと強くなって、この8番がもっともっと似合う選手になって帰ってきたい」

 セレモニー後には場内を1周し、サポーターにうながされて無人のゴールにボールを蹴り込んだ。「思い残すことはたくさんあるが、今のC大阪の現状を自分が変えるために決断した。(バーゼルで)活躍することでC大阪のチームメートの士気が上がるようにしたい」。

 柿谷は今日16日に渡欧し、17日からチームに合流する予定。自身の成長という強い思いを胸に、憧れだった海外の地にいよいよ飛び立つ。【福岡吉央】