<J1:G大阪4-0清水>◇第16節◇23日◇万博

 G大阪が真夏の夜空に4発の花火を打ち上げた!

 本拠地万博で今季のリーグ最多4ゴールを挙げ、清水に大勝。W杯で中断していたリーグ再開後、2戦連続の完封勝利だ。今夏に獲得した新エース候補のFWパトリック(26)が、1得点1アシストの鮮烈な先発デビュー。不振にあえいだチームは11位に浮上し、確かな復調の兆しが見えた。

 これだけスカッと勝てば、ビールがうまい。ジットリと蒸し暑い本拠地万博は、今季のリーグ最多4発の大勝劇に沸きに沸いた。終了の笛が響くと、ポルトガル語でありがとうを意味する「オブリガード!

 オブリガード!」の大合唱だ。今週末に行われる大阪の真夏の一大イベント・天神祭の花火大会より、一足先にG大阪が4発のどでかい花火を打ち上げた!

 主役は新エース候補のパトリックだ。丸刈りにヒゲ、耳にはキラリと光るピアスに、胸元には金色のネックレス。189センチ、82キロのガッシリとした体格は、まるで格闘家のようだ。J2降格圏から脱出するため、今夏に緊急補強したブラジル人は、19日甲府戦に途中出場し、この日が先発デビュー。前半9分に大森の得点をアシストすると、後半11分にはダイビングヘッドで移籍後初弾。1得点1アシストの大活躍に「素直にうれしいよ。何よりも勝ったんだから。チームに貢献したいという強い思いがあった」と喜んだ。

 日本人と助っ人が、うまく絡んでの白星だ。前半の2点は阿部、大森の成長株が先制パンチ。後半に続いたのが、パトリックと途中出場のFWリンスだった。シュート数は清水の4本に対して、4倍を超える18本。まるで攻撃的ガンバが復活したかのようだ。天皇杯を含む3戦連発こそ逃したFW宇佐美は「前への推進力が出てやりやすかった」。長谷川監督も「やっとガンバらしく勝つことができた。勢いの出る勝ち方だ」と笑顔。一時は降格圏に沈んだチームが11位浮上。これからガンバの快進撃の夏が始まる。【益子浩一】