<J1:仙台2-2大宮>◇第18節◇2日◇ユアスタ

 仙台はホームで大宮と引き分け、リーグ再開後4試合勝ちなしとなった。前半5分、4試合ぶりに先発したDF渡辺広大(27)のインターセプトからMF梁勇基(32)が決めて先制。1-1の後半21分にDF石川直樹(28)の今季初ゴールで勝ち越したが、6分後にオウンゴールで追いつかれた。

 やられたらやり返す。鮮やかな先制パンチだった。前半5分、リーグ4試合ぶりに先発した渡辺が「ここ何試合かは攻守の切り替えの速さを見せられていない。球際で厳しく行くしかない」と相手外国人と競り合ってロングパスをはじき返す。このボールに反応したFW赤嶺のシュートのこぼれ球を、ゴール前に詰めた梁が押し込んだ。0-4で大敗した3月のアウェー戦は開始40秒で失点。その直後に相手との接触で負傷退場したセンターバックが、渡辺監督の起用に応えた。

 2分け1敗に終わった7月の3試合は影を潜めていた、前線からのプレスも復活した。公式戦11試合ぶりにボランチに入った角田は「高い位置で効率よくボールを奪って攻める戦い方が一番勝つ確率が高い。そのためには前線の選手の運動量が必要」。主将がスイッチを入れて、赤嶺やウイルソンが相手DFを追いかけ、攻め込む時間を増やした。

 積極的な守備で大宮の攻撃をロングボール一辺倒に追い込んだが、またもゴール前で踏ん張れなかった。2-1で迎えた後半27分、右サイドを突破されて許したクロスをクリアしきれず、痛恨のオウンゴールで失点。ロスタイムにFWウイルソンがネットを揺らしたが、判定は無情にもオフサイドだった。取っても取り返される、名古屋戦と同じ展開での引き分け。渡辺晋監督(40)は「失点の場面はアプローチの甘さも見受けられた。ボールを握る時間が作れなかったのもある。何が原因なのか分析して次に向かいたい」と険しい表情だった。