<データが語るJリーグ>

 新潟から名古屋に移籍したFW川又堅碁(24)に「珍記録」達成の期待がかかる。今季は新潟で14試合に出場し3得点。名古屋でもゴールを決めて、同一シーズンにJ1の2クラブでゴールをマークすれば、日本選手では02年の平瀬智行以来12年ぶり5人目の珍ケースとなる。

 Jリーグが創設された当初、シーズン中の移籍は今ほど活発ではなかった。開幕年の93年に2クラブで出場歴があったのはDF加藤久(V川崎→清水)のみ。94年も2人だけだった。95年からは徐々にその数も増え、昨年までで延べ134人が同一年に複数クラブで出場を果たしている。だが、2クラブで得点は珍しく、外国籍選手を含めても過去に16人だけだ。

 その上で2クラブにまたがって年間2ケタ得点に到達したのは、95年のトニーニョ(17点=清水→浦和)、01年の呂比須(10点=東京→福岡)、09年のペドロ・ジュニオール(13点=新潟→G大阪)の3人だけで、川又が達成すれば史上4人目。日本選手では呂比須以来2人目となるが、昨季23得点を挙げたFWにしてみれば、残り14試合で7ゴールは不可能な数字ではない。【石川秀和】