<天皇杯:山形1-0鳥栖>◇4回戦◇10日◇ベアスタ

 J2山形はJ1鳥栖を下し、チーム記録に並ぶ4年ぶり3度目の8強進出を決めた。延長後半立ち上がり、途中出場のFW万代宏樹(28)が決勝ゴールを決めた。準々決勝(10月15日)の対戦相手と会場は16日の抽選で決まる。

 山形が鳥栖との6年ぶりの公式戦に燃えた。現在J1で2位の強敵。だが、08年までJ2で20勝6分け13敗、アウェーでも10勝1分け8敗と勝ち越している相手に序盤から闘志をむき出しにした。本来のシステム4-2-3-1から、DF陣の負傷者続出で急きょ選択した3-4-3。前半から左右のウイングバックの位置に入ったMFボムヨンと山田が果敢に攻め上がり、ゲームメークした。プロ公式戦2戦目の右ボランチ日高も起点になった。

 前半中盤には、昨年11月の左膝のけがから復帰後、今季公式戦初先発のFW林が中央からシュート。同ロスタイムにはFW山崎がゴール正面からヘディングシュートを放つが、ゴールを奪うことはできなかった。完全アウェー状態の中で、守護神の山岸も相手GK林との新旧日本代表対決を失点0で渡り合った。

 後半も守備重視のために採用した攻撃的システムが機能。持ち前の運動量を生かして互角に渡り合ったが、ゴールを奪えず0-0で延長戦に突入した。

 均衡が破れたのは延長後半2分だった。同前半から途中出場したFW万代が、カウンター気味に値千金の決勝ゴール。これでチームは4年ぶりの8強入りを決め、初の4強進出へ勢いを加速させた。【佐々木雄高】