仙台が、今日13日のアウェー新潟戦に4-3-3のシステムで臨む可能性が出てきた。12日の12対12を基本とした変則的なミニゲームでは、中盤の底に富田、1列前に梁と武井が入った。渡辺晋監督(40)は「(報道陣の)みなさんの判断にお任せします」と明言は避けたが、連敗脱出へ新たな形を準備した。

 夏場に露呈した課題を修正して勝つ。前々節の神戸戦と前節横浜戦は、こぼれ球を奪われて攻め込まれる時間帯が続いた。自陣で多くのセットプレーを与え、CKから失点を重ねた。指揮官は「球際の強さ、攻守の切り替えの速さというベースは忘れてはいけない」。仙台の武器を取り戻すため、中央の人数を増やして主導権を渡さない構えだ。

 主力不在のピンチも乗り越える。累積警告で出場停止のウイルソンに加え、6日の練習試合で負傷した角田も別メニュー調整で欠場する。6試合ぶりのスタメン出場が濃厚なMF武井択也(28)は「個人的には中盤3人の形は好きですね。たくさんボールを受けて起点になりたい」と闘志を燃やした。

 4-3-3は昨季も手倉森監督が取り入れたが、結果は出なかった。新潟戦で採用すれば、約1年ぶりの再チャレンジとなる。渡辺監督は「7、8月は思うように勝ち点を伸ばせなかったが、まいてきた種がある。9月から実りの秋、収穫の秋にする」と言った。今後の可能性を広げる意味でも、真価が問われる一戦になる。【鹿野雄太】