<J1:柏1-0G大阪>◇第29節◇22日◇柏

 快進撃を続けてきたG大阪が、天敵柏に連勝を7で止められた。この日開催されたJ1の9会場で、最も寒い気温13度。冷たい雨が降る敵地で、試合終了間際に不運が待っていた。引き分けでも記録上、連勝は止まる状況だったが、勝ち点1獲得は確実と思われた。それが後半45分、左サイドを崩され、1度はDFが跳ね返そうとしたボールが相手に渡った。雨で勢いが増したシュートは、DFとGK東口の脇の下を抜けて入ってしまった。

 7連勝で自信が芽生えた一方で、頭の隅に苦手意識があった。柏にはJ2に降格した12年度から天皇杯決勝を含め、これで公式戦1分け6敗。東京から移籍後、まだ1度も勝てていないMF今野は「最悪です。これが柏。強い。このままやっていれば、いつかは点が取れると思っていたのに(逆に)取られてしまった」とため息をついた。前半ロスタイムには乱闘騒ぎになり、後半ロスタイムにもDF岩下が退場処分を食らった。好調のはずが、どこかで歯車が狂っていた。

 幸いにも首位浦和も引き分けに終わったため、残り5戦で勝ち点5差の2位をキープ。11月22日には直接対決を残しており、敗戦が致命傷にはなっていない。

 来季続投が確実になっている長谷川健太監督(49)は「最後の10分が…。柏とやると、こういう展開になるのは分かっていた。(5差は)難しい数字。でも直接対決が残っているので、浦和を見るよりも、連敗しないように、次に勝てる準備をしたい」と諦めない気持ちを強調した。トップ下で出場したMF遠藤主将も「できれば勝ち点1でも積み重ねたかったけど、これで終わったわけではない」と言い切った。

 リーグ戦だけでなく、ナビスコ杯、天皇杯も優勝の可能性を残すのはG大阪だけ。次節は中3日で26日に東京戦(万博)を控える。3冠への挑戦は、これからが正念場だ。【益子浩一】