大きな1勝をつかむための90分間が始まる。清水は28日、残留決定の可能性を秘めた今日29日のアウェー柏戦に向けて恒例の非公開調整を行った。普段通りの時間を過ごし、仕上げを終えた大榎克己監督(49)は「コンディション調整を中心にやってきた。選手がやってくれると信じている」と万全を強調した。

 主力の大半は26日の天皇杯準決勝・G大阪戦を“欠場”。22日の名古屋戦から1週間、この大一番に照準を合わせてきた。G大阪戦では5失点大敗したものの、FW加賀美翔(20)がプロ初先発初得点を決めるなど、一時は同点に。若手がナビスコ杯王者に必死に食らい付く姿が、チームの士気を高めた。FW高木俊幸(23)は「刺激をもらった。コンディションを整える時間をもらった分、その期待にも応えなければいけない。次は自分たちがやる番」と、語気を強めた。

 柏は今季ホームでわずか1敗。さらに、現在5連勝中と好調を維持している。それでも、FW大前元紀(24)は「相手がどうこうじゃない。自分たちがどう戦うのかが大事。最後まで戦い抜いて残留を決めたい」とキッパリ。引き分け以上で大宮、C大阪の結果次第で残留が決まる。MF本田拓也(29)は「とにかく勝つ」と、勇ましい言葉を残して敵地に向かった。勝って吉報を待つ。【前田和哉】

 ◆第33節柏戦で清水の残留が決まる条件

 勝利の場合はC大阪の結果は関係なく、大宮が引き分け以下で確定。引き分けでも大宮が負け、C大阪が引き分け以下なら残留が決定する。