<Jリーグアウォーズ>◇9日◇横浜

 鹿島の高卒ルーキーMFカイオ(20)が、外国籍選手として初めてベストヤングプレーヤー賞を受賞した。千葉国際高で3年間を過ごして培った流ちょうな日本語ではなく、ポルトガル語で「このような賞をいただき感謝しています」と緊張した面持ちで話した。

 昨オフに知人の紹介で鹿島に練習参加。才能が認められ、入団が決まった。あれから約1年、春先に定位置をつかむとリーグ戦30試合8得点とブレーク。「チャンスをくれたセレーゾ監督、クラブに感謝したい」。3位となったチームで不動の地位を築き上げた。

 ベストヤングプレーヤー賞は4月2日時点で21歳以下の選手が対象で、日本人以外の受賞は初めて。「自分はまだ1歩前に飛び出しただけ。トップに上り詰めるために、貪欲に、献身的に、誠実にやっていきたいと思う」。今や、鹿島の根幹をなすジーコスピリット「献身・誠実・尊重」の強い影響も受けている。

 16年春には日本国籍取得の最低条件となる日本居住歴5年に到達する。18年W杯ロシア大会に向けた「秘密兵器」にもなりうる存在だ。「日本代表?

 それについては2度考える必要はない。(日本は)成長させてくれた場所。(代表の話があれば)素直に返事したいと思う」と国籍変更にも前向きな姿勢を示す。

 来季はリーグ戦に加え、アジア・チャンピオンズリーグの舞台にも立つ。「考えてプレーしたことが成長につながる」。異色のブラジル人はさらなる高みを目指す。【菅家大輔】

 ◆ベストヤングプレーヤー賞規約

 10年から名称が「新人王」から変更された。対象は(1)年齢

 93年4月2日以降に出生した者(2)出場試合数

 今季J1リーグ出場数17試合以上(3)同賞および新人賞受賞選手は対象外。※2種登録、特別指定選手も受賞対象。