J2山形は今日13日、G大阪との天皇杯決勝で初の日本一に挑戦する。前身の日本電気山形(NEC山形)時代を含め、創部30周年の節目にJ1復帰を決めた選手たちは、一丸になって新たな歴史を築き上げる。大一番が自身の天皇杯通算20試合目となるDF石川竜也(34)らイレブンは12日、PK戦を想定した練習などをこなし、決戦の地・横浜入りした。

 天皇杯を知り尽くした男が、山形を日本一に導く。石川はフィールドプレーヤー最年長のプロ13年目。天皇杯には過去19戦出場し、鹿島でプロデビューの02年に準優勝に貢献。4強の03年を含め4年連続8強を経験した。G大阪との大一番を前に「こういうチャンスはなかなかない。勝つために頑張りたい」と話した。

 今季4バックから3バック変更後も左サイドを統率する。左利きキッカーとしても、天皇杯準決勝千葉戦で右CKから勝ち越し弾をアシスト。プレーオフ磐田戦でもロスタイムに、やはり右CKからGK山岸の奇跡の決勝ヘッドを演出した。Jリーグからチームの最優秀選手に選ばれ「山形の顔」になった石川は「チームの代表でもらったもの。(今年は)チャンスをもらえて昇格も達成できた」と充実感を漂わせた。

 今季J1最優秀選手となったG大阪の日本代表ボランチ遠藤とは同年代。ともに99年ワールドユース選手権で準優勝した。プレースキックで競演する可能性もある石川は「同世代が頑張っている姿は刺激になるし、同じピッチに立てることはすごくうれしい。今持っている力を100%出して、山形のサッカーをアピールしたい」と力を込めた。【佐々木雄高】

 ▼データ

 G大阪とはJ通算1勝1分け6敗、8得点17失点と分が悪い。昨季J2では2連敗で、11年J1第8節から4連敗中。天皇杯では旧JFL時代(96、98年)を含めて過去1勝2敗。前回対戦の07年の4回戦では2-2からPK戦(3-5)で敗れた。