J1山形からJ3盛岡に育成型期限付き移籍で加入した盛岡出身のMF谷村憲一(19)が16日、チーム初練習に参加し、“古巣”グルージャへの恩返しを誓った。谷村は見前南中の3年間、グルージャ盛岡ジュニアユースでプレー。昨季終了後、当時のコーチだった太田亮統括部長からオファーを受け「恩返しが出来る機会が回ってきた」と、快諾した。

 U-17、18日本代表経験のある185センチの大型ボランチ。盛岡商卒業後に山形に加入したが1年目は出場機会に恵まれず。昨季序盤はJ3の選抜チームU-22で3試合、7月から期限付き移籍した鳥取でも6試合に出場したが、納得のいく結果を残せなかった。「技術は上がるけど、試合でしか鍛えられない体力がなくなっていった」。悶々とした2年間を過ごした。

 そんな悔しさをバネに「飛躍できる1年にしたい」と谷村は誓う。「先発で試合に出る」のはもちろん、巧みなパスと高さの利を生かし「得点に絡みたい」と貪欲にゴールを狙うつもりだ。鳴尾直軌監督(40)も「岩手の地で本来のいいものを表現してほしい」と期待する。

 この日は新加入の10人、練習生2人を含めた26人が集合し、約3時間激しいフィジカルトレーニングを行った。谷村は「みんな話しかけてくれて自然と溶け込むことができた」とうれしそうに話した。「早く地元でプレーしたい気持ち」。チーム一の若さと、地元愛で2年目の盛岡を盛り上げる。【高場泉穂】

 ◆谷村憲一(たにむら・けんいち)1995年(平7)1月26日、岩手県盛岡市生まれ。小2年から見前FCでサッカーを始める。見前南中時はグルージャ盛岡ジュニアユースに所属。盛岡商時にはU-17日本代表を経験。12年10月に山形(当時J2)に加入。14年7月に、J3鳥取へ期限付き移籍。185センチ、71キロ。家族は母、姉、妹、弟。血液型B。