<スカパー!ニューイヤー杯・鹿児島ラウンド:浦和3-1磐田>◇11日◇鹿児島県指宿いわさきホテルサッカー場

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 ニューイヤー杯」は11日、鹿児島県内で2試合が行われ、浦和が磐田に完勝した。仙台から新加入のFW武藤雄樹(26)が先制ゴールを挙げる活躍をみせた。指宿合宿で同部屋のDF槙野に、ヘアスタイルの変更を強制されて以降2試合3ゴール。果敢にゴールに迫るプレースタイルと、ほっておけないいじられキャラが浸透し、早々にチームのサッカーになじんで結果が出てきた。

 前半10分。武藤はFWズラタン、MF宇賀神と続けざまに放たれたシュートのこぼれ球に反応してゴール左隅に押し込んだ。「常にゴールを狙っていますし、8日の練習試合に続いて得点できたのは、ポジティブに捉えています」とうなずいた。

 いつものように真剣な表情で取材に応じたが、この日はどうしても奇抜なヘアスタイルが目をひいた。指摘されると「カリスマ美容師槙野が…。不評なんで、早く髪が伸びないかな」と苦笑した。指宿合宿に入り、伸びていた髪をロドリゴ通訳に切ってもらった。すると出来上がりに首をかしげた槙野が動いた。

 「中途半端。オレと同じにしてやる」。槙野が貸したジェルで、ピッチリと横分けにするまでは同じだが、刈り上げは左右で高さが違う。チームメートの失笑も買い、MF柏木などは「オレならあの髪形では出歩けない」とバッサリだ。

 しかし柏木は一方で「プレーは思っていた以上にすごくいい」と何度も動き直しながらパスを引き出す動きなどを絶賛。愛すべきいじられキャラと、チームにフィットするプレースタイルで、周囲との連係が急速に密になってきた。「体を張って溶け込むつもりはなかったんですけど…。でも溶け込めてきたことはサッカーにもつながっていると思います」と前向きに捉えていた。【塩畑大輔】

 ◆武藤雄樹(むとう・ゆうき)1988年(昭63)11月7日、神奈川県生まれ。武相高から流通経大に入り、4年時には主将としてベストイレブン。11年に仙台に入団。14年に先発に定着し、30試合4得点。170センチ、68キロ。血液型AB。