ゼロからの下克上!

 J2札幌に新加入した韓国人GKク・ソンユン(20)が11日、沖縄合宿に合流した。昨季まで3シーズン在籍したC大阪では、外国人枠の関係でJリーグ出場はなかったが、札幌では最長身となる195センチのサイズと瞬発力を兼備した、伸びしろ十分の新戦力。U-22韓国代表の「リオ世代」が、守護神争いに割って入る。

 長い手足を存分に伸ばし、次々とシュートをはじき出した。沖縄合宿合流初日、クは午後のシュート練習で、いきなり好セーブを連発した。MF小野の至近距離からのシュートを、横っ跳びし、がっちり両手でキャッチ。ハイボールにも、積極的に飛び出しアピールを開始した。

 身体能力は文句のつけようがない。195センチとチーム最長身だが、俊敏でバネもある。動きをチェックした赤池GKコーチは「大きいのに動きがスムーズでしなやか。ポテンシャルが高いのは間違いない」と言う。守護神争いは昨季実績で金山が1歩リードも、クは「体の大きさを生かしたハイボールへの対応や、シュートストップでレギュラーを勝ち取りたい」と意気込んだ。

 新天地で出場歴「ゼロ」に別れを告げる。昨季まで在籍のC大阪には、同じ韓国人でA代表歴もあるGKキム・ジンヒョンがいた。さらに、外国人4枠(アジア枠含む)がすべて埋まっていた。昨季まで20歳未満だったためC契約で登録も、今季は条件が変わる。「試合に出たい。札幌に来た一番の理由がそれ。札幌は僕を熱心に呼んでくれた」。チャンスをつかむため、今季、同じカテゴリーとなったチームへの移籍を選択した。

 10日までU-22韓国代表のタイ遠征に参加。練習試合に45分間出場するなど、試合勘は落ちてはいない。「(合流初日で)100%ではないが、いい状態」。今日12日の岐阜経大戦は回避も、赤池コーチは「高いレベルの相手にどこまでできるか見てみたい」と説明。14日名古屋戦が“デビュー戦”になる。【永野高輔】