横浜FCのFWカズ(三浦知良、51)が、ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表が決勝トーナメント進出を決め一夜明けた29日、横浜市内の練習場で取材に応じ「3試合の結果が、決勝トーナメント進出の大きな目標を達成につながったと思う。ベスト16を突破することがもっと大事。これでまた、さらに引き締めていい準備して挑んでくれると思います」と期待した。

 ポーランド戦の終盤は、日本はフェアプレーポイント(FPP)での16強進出を意識し、失点と警告を避ける戦いに切り換え、最終ラインでボールを回し続けた。1失点で踏みとどまり、結果、決勝トーナメント進出を決めた。93年、ロスタイムにイラクに追いつかれ、W杯切符を逃したドーハの悲劇を知るカズは「ドーハとは状況が違う」とした上で、こう持論を述べた。

 カズ サッカーは5秒、10秒あれば1点入りますからね。セネガルが点を取った瞬間、日本は点を取らないといけない状況になる。その中で、(ポーランドが)来なければ回すという勝負にかけた。コロンビア戦もそうでしたけど、2-1になって自分たちが余裕を持ってボールを回すサッカーができた。その積み重ねで、ああいう時間の過ごし方ができたのでは。なかなかできる経験ではない。監督、スタッフ、スタンドの観客、テレビで見ていた人もみんなそういう経験をした。大きな日本の財産になるんじゃないですかね。勝ちに本当にこだわったやり方。いろんな選択があるなかで、あそこまでの選択があの瞬間できたなと。すごいと思いますね。

 第3戦で先発メンバーを6人入れ替え、さらに勝ちにこだわった戦術を貫いた西野朗監督の勝負師としての姿に、カズは「苦しいけど楽しいと思いますよ。あれがしびれるんでしょうね。西野さんがずっとやってきた経験があるんでしょうね」と敬意を表した。決勝トーナメント1回戦はベルギーと対戦する。カズは「次のベスト16に勝ってベスト8には進んでもらいたい。これも希望ですが、ブラジルとベスト8で戦ってほしい」と期待を寄せる。カズは、MF長谷部誠、DF吉田麻也、MF香川真司らと、毎年、食事会を開いており「ベスト16だと例年規模で。ベスト8だと倍ぐらい。ベスト4だともっと。トップまでいったら東京を貸し切るぐらいいきたい」と、祝勝会のイメージをふくらませていた。