スウェーデン代表ＦＷズラタン・イブラヒモビッチ（３３）擁するパリサンジェルマン（フランス）は英ロンドンへ乗り込み、チェルシー（イングランド）と対戦した。

　２度リードを許す苦しい戦いとなったが、ダビドルイス、チアゴシウバのブラジル代表ＤＦコンビが大活躍。ともに頭で同点ゴールを決め、２－２で引き分けた。

　この結果、２試合合計３－３ながら、アウェーゴールの数で上回り、パリサンジェルマンのベスト８進出が決まった。

　イブラはというと、前半３１分、相手ＭＦオスカルへのスライディングが危険とみなされ、まさかの一発退場。早々にピッチから姿を消した。

　そのまま負けていれば不機嫌なままスタジアムを去ってもおかしくなかったが、チームは驚異の粘りで８強入りを勝ち取った。機嫌を良くしたイブラが試合後に語ったコメントが、らしくて良かった。

　「最悪だったのはレッドカードより、あの場面でチェルシーのヤツらがオレの周りに集まってきたこと。赤ん坊がわめいているようだったぜ」。

　この発言は当然のごとく英メディアを中心に大きく扱われ、改めてイブラの注目の高さをうかがわせた。

　荒くれ者の風貌ながら、実はかなり頭が切れる同ＦＷ。過去にもウイットに富んだ発言を数多く残しているので、ちょっと紹介してみたい。

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　「ズラタンはオーディションは受けない」（スウェーデン１部マルメ時代にアーセナルへ移籍寸前だったが、ベンゲル監督から契約前に練習参加を求められ）

　「完全なガセネタだ。オレは飛行機を注文したんだ。もっと速いからな」（メディアに新しいポルシェを購入したとうわさされ）

　「ひとつだけ確かなのは、オレが出ないＷ杯は見る価値がないということだ」（スウェーデン代表が１４年Ｗ杯出場を逃し）

　「彼女はもうズラタンを持っているからなぁ」（夫人への誕生日プレゼントに何をあげるのかたずねられ）

　「今、マンションを探しているんだ。もし見つからなければホテルを購入すると思う」（パリでの住居がなかなか見つからず）

　「オレが左へ行ったら、ヤツもそうした。次に右へ行ってもついてきた。もう１度左に行ったら、ヤツはホットドッグを買いに行っちまった」（アヤックス時代にリバプールと対戦し、相手ＤＦアンショズを軽々と抜き去り）

　「オレと契約するってことは、フェラーリを買うことなんだ」（自分の価値について例えて）

　「オレはわざとお前をケガさせたりしていない。分かっているはずだ。もし文句を言うなら、お前の両足をへし折ってやる。それはわざとだ」（スイス対オランダ戦でファンデルファールトから故意に危険なプレーをしたと指摘され）

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　その他にも１４年Ｗ杯予選プレーオフのスウェーデン－ポルトガル戦の前に記者から「どちらが勝つと思うか？」と聞かれ、「神のみぞ知る」と答えた時のやりとりも面白かった。続けて記者が「それじゃあ質問できないな」と答えると、イブラは「何でだ。お前の目の前にいるじゃないか」と満面の笑みで答えた。

　最近、欧州ＣＬシャルケ戦に敗れたＲマドリードのポルトガル代表ＦＷロナルドが「シーズン終了まで話さない」と仏頂面で「貝になる宣言」をした。筆者はその記事を読みながら、イブラのようにコメントでも我々を楽しませてくれるようになるには、まだまだ子供すぎるなと感じたしだいだ。