G大阪が万全の「円高対策」で世界一を目指す。6大陸王者が出場するクラブW杯が、7チームが参加して11日に日本で開幕する。アジア王者のG大阪は14日の初戦を突破すれば、18日の準決勝で欧州王者マンチェスターUと激突。胸躍る夢対決はもちろんだが、クラブにとって魅力なのは大会総額1650万ドル(約15億6750万円)の賞金だ。現在は超円高時代(1ドル=約95円)で換金すれば数千万円単位の大損になるが、G大阪には“秘策”が…。

 世界一決定戦は、賞金もすごい。優勝クラブには500万ドル(約4億7500万円)、最下位の7位でも50万ドル(約4750万円)が与えられる。6日に最終節を迎えるJ1は、34試合を戦い抜いて優勝2億円。これと比べても、最大3試合を戦って得られるビッグマネーは大きな魅力だ。

 日本からはアジア王者のG大阪が出場するが、問題がある。現在は超円高(1ドル=約95円)。優勝して500万ドルを獲得したとしても、1ドル=120円の場合に得られる6億円と比べると1億2500万円も「損」する計算だ。

 ただ、G大阪には“秘策”がある。クラブ幹部は「しばらく賞金をドルのまま保有しておくことも考えている。ドルでも用途は多い」と明かした。例えば期限付き移籍で獲得した外国人選手のレンタル料を相手クラブに支払う場合はドル払い。ACLなどの海外遠征の際にドル払いが必要になることもある。

 もちろん賞金の一部は選手にも分配され、大会前に金額が決まる。これも、クラブ幹部は「ドルで払うかもしれない。そのまま持っておいて、好きなときに換金してもらえるようにすればいい」と説明。目減りした円でもらうより、ドルならオフの海外旅行で有効活用できるかも?

 昨年日本から出場した浦和は3位に食い込み、賞金250万ドルを獲得した。当時は1ドル=110円だったため2億7500万円になったが、今年なら2億3750万円。そんな円高余波をものともせず、G大阪は勝ち上がって大金ゲットを目指す。【北村泰彦】