王者Rマドリードがホームで、Aマドリードとの「マドリードダービー」を制した。後半43分にメキシコ代表FWハビエル・エルナンデス(26)が決勝点を挙げ、5大会連続で準決勝に進出した。準決勝の組み合わせ抽せんは24日、日本時間19時からスイス・ニヨンで行われる。

 不遇をかこつエルナンデスがチームを救った。今季リーグ戦での先発は2試合だけだが、FWベール、ベンゼマら主力を欠く苦しいチーム状況にあって、代役として起用された。ボール支配率は63%。主導権を握りながらも得点を奪えず迎えた後半43分、パス交換で右サイドを破ったFWロナルドがDFとGKを引きつけ、中央へパス。これを冷静に右足で決め、ついに均衡を破った。

 後半47分に交代してベンチに座ると、ベンチスタートが続く今季を思い返したのか、人目もはばからず涙を流した。エルナンデスは「今日の得点は、自分にとって一番大事なゴール。自分を信じてくれた人にささげたい」と喜んだ。アンチェロッティ監督は「エルナンデスを祝福しないといけない。彼は難しい1年を過ごしていた。今日はその苦難を乗り越えてゴールしてくれた」とたたえた。【山本孔一通信員】