6日のユベントス-トリノ戦の後、DFベナティアが差別的な発言を耳にしたようだと、8日の伊紙ガゼッタ・デロ・スポルトが報じた。

 取材エリアでベナティアがRAI(イタリア国営放送)のスタジオからのインタビューに答えた。スタジオからの質問を聞くためにイヤホンが左耳につけられたが、そこで質問の前に誰かが差別的な発言をしたのが聞こえたと言う。ベナティアは「誰がしゃべったのか。侮辱するような言葉が聞こえた」と尋ねたが、スタジオのアナウンサーは「技術的な問題があるようです。ユベントススタジアムからのものだと思いますが。私たちはそんなことは言わないので、ここスタジオからではないと思います」と答え、インタビューを打ち切った。その後ベナティアからこれを聞いたユベントスの広報が記者会見で、いきさつを明らかにした。

 ベナティアはフランス生まれだが、両親の出身であるモロッコの国籍を取得している。「イヤホンの声を聞いた人は他にもいるはずだ。問題は自分たちのミスを認めないことだ。このことに関して調査が始まっている。僕は長年イタリアにいるし、イタリアは好きだ。しかし、少ないながらも人種差別をする人たちがいる。私はモロッコ人だが、そのことに誇りを感じている」と話した。

 RAI側は「調べてみたが、あの発言はRAI関係者のものではない。地元で仕事を請け負っているサービス会社のものだと思う」とコメントしている。