イングランド協会(FA)は、イングランドリーグ杯決勝でiPod(携帯型デジタルオーディオプレーヤー)で相手選手を分析したマンチェスターUのGKベン・フォスター(25)に対し、ルール違反に当たらないとの見解を発表した。

 1日のトットナム戦は、0-0で延長戦を終了し、勝負はPK戦に突入。PK戦を前にGKフォスターは、スティールGKコーチとiPodの映像再生機能を使い、相手選手のクセをチェックした。その分析がずばり的中し、1人目のMFオハーラのシュートを左へ跳んでファインセーブ。これを機にマンUは4-1でPK戦をものにし、3季ぶり3度目の優勝をつかんだ。

 フォスターは「オハーラが蹴るならコースは決まってくるとコーチから助言された」と発言。昨年11月のU-21代表戦でオハーラが左へ蹴ってセーブされた場面を、そのまま映像通りに再現してみせた。元プレミアリーグ審判員のグラハム・ポール氏は「FIFA規則の盲点を付いたものだ」とルール抵触もほのめかしたが、FA側は「ルールに反していないので、これ以上調査はしない」とした。

 英メディアは「分析力がタイトルをもたらした」と称賛。今季5冠を狙うマンUの強さを裏付ける逸話ととらえられている。(春日洋平通信員)

 [2009年3月4日8時29分

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