俊輔が2アシスト絶賛デビュー/親善試合
<親善試合:エスパニョール3-0リバプール>◇2日(日本時間3日)◇スペイン・コルネジャー
【バルセロナ(スペイン)=塩畑大輔、山本孔一通信員】エスパニョールMF中村俊輔(31)が“2アシスト”で、欧州制覇5回の名門を3-0と撃沈した。2日、事実上の実戦デビューとなった親善試合リバプール戦に、左MFとして先発。前半19分にはMFルイス・ガルシアの先制弾をアシストした。同40分には微妙なオフサイド判定にゴールが取り消されたが、FWタムードへ絶妙のスルーパスを送った。前半で退いたが、世界最高峰MFジェラードから、活躍をたたえられる場面もあった。
一瞬の判断で、欧州最高クラスの守備網を切り裂いた。前半19分、中村の足元に、自ら放ったクロスのこぼれ球が戻ってきた。「シュートを打とうか、サイドに振ろうかなどと考えたけど、いちかばちかにかけた」。相手DF3人の間に入ったルイス・ガルシアへ、左足で鋭いダイレクトパスを送った。
「速いボールを入れて、DFとFWが行き違いになればいいと思った」。中村の思惑通り、ルイス・ガルシアはワントラップでDFライン裏に抜け出し、見事に得点した。大観衆が絶叫する中、中村はMFデラペーニャに頭をなでられ、笑みがはじけた。
「東洋の芸術」と称された美しいプレーは、さらに続く。同40分、センターサークル付近から、約30メートルのスルーパス。相手DFライン裏のタムードをピタリととらえ、2得点目を演出したように映った。微妙なオフサイド判定で、ゴールは取り消し。記録には残らなかったが、見る者すべてに強烈な印象を残した。
相手のリバプールはジェラードやFWのF・トーレスらベストの先発布陣。新本拠地のお披露目という親善試合でも、ハードタックルを見舞ってきた。中村も突破するジェラードをなぎ倒すなど応戦。前半だけで両軍で5回の警告が出る「真剣度」だ。そんな中での“2アシスト”は大きな価値がある。世界トップMFといわれるジェラードと互角に渡り合った。
中村の自信も膨らんだ。「(左サイドDF)ダビド・ガルシアと2人で崩す形は今後も使える。左MFでの先発はびっくりしたけど、デラペーニャとの距離が近くてやりやすかった」。中村がマークをひきつけ、フリーのデラペーニャにパスを出させる形も、相手守備陣の脅威になった。
前半で退く際、ジェラードに肩を抱かれ、たたえられた。後半にはスタンドから「ナカムラ!」のアンコールも。アシストを受けたルイス・ガルシアは「歴史に残るゴールはすべて彼のおかげ。何度でも食事をおごりたい気分」と絶賛した。
ほほ笑ましい一幕もあった。前半25分。サポーターが会場に持ち込んだ飼いインコが、ケガをしてピッチに落ち、プレー中の選手に踏まれそうになった。スタンドから悲鳴が上がる中、中村はこれを拾い上げ、空に飛ばした。偶然にもインコはクラブのマスコット。昨季降格危機にひんしたチームを、中村が救うと、暗示させた。
[2009年8月4日9時12分 紙面から]
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