波紋が広がるアンリの「神の手」問題で、フランス協会(FFF)は20日夜(日本時間21日)、アイルランド協会(FAI)からの再試合要請を正式に拒否した。W杯予選欧州プレーオフ第2戦について、FAIから同日、国際サッカー連盟(FIFA)に対する再試合の実施を連名で求めるよう打診された。しかしFFF側は、声明文を出して断った。

 FFF

 我々は誤審が同点につながったことを1度も否定しなかった。我が国も過去に同じような苦しみを味わったことがあるため、試合後にアイルランド代表に同情の意を示した。しかしながら、試合中の主審の判定は絶対であり、試合結果を変えることはできないし、再試合をすることもできない。規定は、両国に対して平等に適用される。

 渦中のアンリが「ああいった形でW杯出場を決めたことに恥ずかしさを感じている」と懺悔(ざんげ)した。これで一気に再試合ムードが高まったが、わずか数時間後にFFFが冷水を浴びせた格好だ。怒りのアイルランド側は、アハーン司法相までが「このままでは、ズルをすれば勝てるという価値観が根付いてしまう」と非難。ドーバー海峡をまたいでの舌戦は、まだまだ収束する兆しがない。(春日洋平通信員)

 [2009年11月22日9時43分

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