【リール(ベルギー)29日=エリーヌ・スウェーブルス通信員】ベルギー1部リールスに移籍した日本代表GK川島永嗣(27)の開幕スタメンが濃厚になった。川島は欧州各国リーグの日本人選手の先陣を切り、31日のシントトロイデン戦でリーグ戦開幕を迎える。本人には通告されていないが、チーム幹部が正GKとしての起用をほのめかした。この日、約2週間ぶりに会見した川島も、報道陣との接触をできるだけ断ち、欧州デビューへ集中を高めている。

 約2週間ぶりに報道陣の前に立った川島は、自信に満ちていた。「こちらに来てから1週間以上がたって、チームの中にも入って行けているので、良い準備ができていると思います。まずポジションを取るのが一番になると思いますけど、自分自身は常にピッチに立つという気持ちでやっていますし、貢献できるのはピッチ上だと思うので」と力強く話した。

 川島には先発の通告はまだない。だが、デキューラール・テクニカルディレクターは「その(先発する)つもりで入ってきたんだから」と、先発してもらわなければ困るとでも言わんばかりの口ぶりで、川島の正GK起用をほのめかした。

 チーム練習合流から、日本の報道陣との接触はほぼ断ち切った。今回の会見も殺到する取材依頼を1度で済ませることが狙い。定位置確保へサッカーに集中したいという考えだ。練習では得意の英語で、仲間やスタッフとのコミュニケーションもスムーズに行っている。「指示は全部英語で出しています。監督も含め、みんな英語を話すので」と問題はない。

 ライバルは元ユーゴスラビアU-21代表で昨季までの正GKクヨビッチ。08年にリールスに加入し、ゴールを守り続けた。次はクヨビッチを上回るチームの信頼を勝ち取らなければならない。アントネス監督は「結果から正GKを決める」と宣言した通り、練習試合では1人を前半、もう1人を後半と均等に起用してきた。

 川島は21日のゲンク戦こそ2失点を喫したが、他の3試合は無失点。クヨビッチは4戦中3試合でゴールを許す3失点で数字では上回っている。開幕前最後だった26日の2部ティエネン戦では先発で無失点に抑えており、アピールは万全。「自分としては試合に出る準備をしてきていますし、自分が出るんだという気持ちでやっていきたい」と話した。正GKで欧州での挑戦のスタートを切る。

 [2010年7月30日9時25分

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