日本代表DF吉田麻也(24=VVV)の英プレミアリーグ・サウサンプトンへの移籍が30日(日本時間31日)、決定した。サウサンプトンが公式ホームページ上で発表した。欧州の夏の移籍期間終了は31日。交渉は締め切り前日になって慌ただしく動き決着をみた。

 移籍金は推定200万ポンド(約2億5000万円)の複数年契約とみられる。プレーに不可欠な英国の労働許可証は申請中だが、吉田は日本代表のレギュラーとして国際Aマッチに常時出場していること、ロンドン五輪で4強入りした実績などから、厳しい条件をクリアして発給される見込み。発給後、リーグへの登録を経て日本人センターバックでは初のプレミアリーガーが正式に誕生する。

 ロンドン五輪でオーバーエージ枠の主将として4強入りした日本をまとめた吉田はこの夏の移籍を熱望。VVV側もステップアップを後押しする中、サウサンプトンの吉田獲得の動きは24日に表面化した。当初は25日にも契約がまとまるとみられたが難航。その後、水面下で粘り強い交渉が行われてきた。所属のVVVのクラブ関係者によると、吉田は29日からクラブの公式行事や練習を欠席していた。移籍成立に欠かせない身体検査のため、極秘裏に英国入りしていたとみられる。

 同クラブにはFW李忠成も所属。李は日刊スポーツの取材に「2人でサウサウンプトンを、プレミアリーグで盛り上げていきたい」と早速、歓迎のコメントを寄せた。吉田の新天地への合流は日本代表のイラク戦後。プレミアデビューは、最短で9月15日のアーセナル戦(アウェー)となる。

 ◆サウサンプトン

 1885年創立、英南部ハンプシャー州に本拠地を置く。元イングランド代表FWシアラーやトットナムMFベールらを輩出した古豪。76年に優勝したFA杯が唯一のタイトル。昨季2部2位となり、8季ぶりにプレミアリーグ復帰を果たす。本拠地セント・メリーズ・スタジアムは3万2000人超収容。チームカラーは赤と白。愛称は「セインツ」。