日本陸連が、来年リオデジャネイロ五輪に向けた直前合宿地として、米ニューヨークを最有力候補にしていることが15日、分かった。

 現在、同地の大学など複数の施設から絞り込み作業を行っている。関係者は「ニューヨークはリオとほとんど時差がない。そこが一番の利点」と理由を説明した。サマータイムが適用される8月のニューヨークは、リオデジャネイロとの時差は1時間だ。

 日本オリンピック委員会は、日本選手団としての直前合宿地は設けない方針。競泳のサンパウロなど、各団体が独自で拠点を構える形で、日本陸連の選定作業も最終段階に入っている。

 ニューヨークには時差以外にもメリットがある。マラソン、競歩は街中で練習するが、ブラジル国内では治安の面で不安が残る。選手が安心して練習できるように、安全面にも配慮している。

 直前合宿には、栄養士兼日本食のシェフを派遣するプランがあり、大人数の食事が作れる調理場の確保など、競技以外の設備面も重視している。今夏の世界選手権では銀メダル1、入賞2と苦戦したものの、選手がリオでベストパフォーマンスが発揮できるよう、日本陸連が全力でサポートする。