日本自転車競技連盟の公式スポンサーの健康補助食品会社、梅丹(めいたん)本舗(大阪府摂津市)のサプリメント2商品に、世界反ドーピング機関(WADA)が指定する筋肉増強作用のある禁止薬物が含まれていたことが分かった。21日、同社の松本喜久一社長(52)が会見を開いて全面謝罪した。日本代表選手らに無償提供されており、リオデジャネイロ五輪を前に影響が懸念される。

 公式スポンサーの商品に禁止薬物が含まれていた問題で、日本自転車競技連盟はこの日朝から対応に追われた。梅丹本舗からの連絡を受けて11日から、選手、コーチ、スタッフに同社のサプリメント商品の使用禁止を指示した。これまで公表しなかった理由を同連盟の大池新次事務局長は「検査結果が確定しておらず、同様商品への風評被害の懸念があった」と説明。同社との契約については「結果が確定した段階で協議する」とした。同連盟によるとこれまで商品を使って、ドーピング違反になった選手はいないという。

 同事務局長によると、禁止薬物が含有していた商品は梅を煮詰めて製造したもので、添加物は入っていないという。同事務局長は「梅の中にもともと入っているもので、1億分の1グラム」と禁止薬物の含有量がごく微量であることを強調。一方で連盟の管理の甘さも認め、今後は日本アンチ・ドーピング機構(JADA)などの認定商品以外の使用禁止を徹底する。日本オリンピック委員会(JOC)は、加盟する各競技団体に文書で注意喚起する方針を示した。