<男子ゴルフ:マイナビABC選手権>◇3日目◇1日◇兵庫・ABCGC(7217ヤード、パー72)◇賞金総額1億5000万円(優勝3000万円)

 石川遼(17=パナソニック)が、プロ転向後初のツアー優勝を射程圏にとらえた。3日連続となる70をマークして通算6アンダー、首位と3打差3位に浮上。4月の開幕戦・東建ホームメイト杯以来2度目の最終日最終組となった。石川を“発掘”した恩師の吉岡徹治・杉並学院ゴルフ部前監督(46)が「優勝の予感がする」と話すなど、逆転Vムードを漂わせた。

 優勝争いの中心に身を置く喜びを感じていた。4月の開幕戦以来、ツアー18試合ぶりに最終日最終組の権利を得た石川が、はにかんだ。「ひそかに狙っていたんで。最終組で回りたい気持ちがありました」。胸に秘めていた願望を現実にして、ほほ笑んだ。

 粘り強かった。後半に入り12、14番で立て続けにボギー。「イライラしていた」という。だが、15番で6メートルのバーディーパットをねじ込み、16番で3メートルのパーパットを沈め、流れを取り戻す。最終18番パー5はバーディーで締めた。

 首位を守る深堀と予選2日間同組で回り、冷静さを見習った。「ミスしても自分のせいという感じで、モノに当たらない。怒ってクラブをたたきつける自分がカッコ悪く思えた」。崩れかけたこの日も、グッと我慢。「前まで気持ちに起伏があって、終わると疲れたりした。でも、今はずっと同じ気持ちで戦えて落ち着きがある。今日くらいのイライラなら元に戻せる」。開幕戦では最終日首位から74と崩れ5位に終わったが、経験を積んで精神面もたくましさを増してきた。

 首位と3打差。身近な関係者もVムードを感じている。テレビ観戦した恩師で杉並学院前監督の吉岡氏は「優勝する予感がする」と身震いした。松伏二中時代に石川を“発掘”した吉岡氏は「中3の秋だったかな。ジュニアの試合で遼だけ飛び抜けていて、周りを圧倒してる雰囲気があった。今のゴルフを見ていると、プロのトーナメントでも、そういうワクワク感がある」という。

 大会前に自ら課したノルマ「1日4バーディーで2アンダー」を見事に3日連続でクリアした。しかし、最終日はさらにハードルを上げる。「追いつくためには4バーディーじゃ足りない。たくさん取るつもりでやる」。日本オープン最終日から自己最長8ラウンド連続オーバーパーなしという安定感も心強い。見えてきた頂点めがけて、攻め続ける。【木村有三】