F1は27日にオーストラリア・グランプリ(GP)で開幕(29日決勝)し、全17戦のシーズンが始まる。一時代を築いたホンダが完全撤退した今季、総合優勝争いはフェラーリが軸になるとみられる。しかし、12年ぶりに溝なしタイヤが採用されるなど競技規則に大幅な変更があり、混戦は必至だ。

 フェラーリは昨季、1点差で総合2位に終わったフェリペ・マッサ(ブラジル)らが順調。マシンの調整も進み、参戦60年目のシーズンに必勝態勢で臨む。

 昨季の年間王者ルイス・ハミルトン(英国)を擁するマクラーレン・メルセデスは直前の合同テストでタイムが伸びていないのが気掛かりだ。

 新ルールでは、レース中にフロントウイングの角度を変えられるようになった。ブレーキから生じるエネルギーをたくわえ、加速時に利用する「エネルギー回生システム(KERS)」も導入され、うまく活用すれば昨季の下位チームが波乱を起こす可能性がある。

 ホンダを引き継いだブラウンGP・メルセデスは早い時期から新たなマシン開発に着手。17日の合同テストで最速タイムを記録し、台風の目になりそうだ。

 トヨタはマシンとタイヤの相性が良く、参戦8年目で悲願の初優勝を目指す。フル参戦2年目のウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴には初の表彰台を期待したい。(共同)