【バーレーン26日(日本時間27日)=米家峰起通信員】トヨタF1チームの幹部が、初優勝を逃した戦略に激怒した。F1第4戦バーレーンGPの決勝は、チーム初のフロントロー独占でスタートしたが、タイヤ選択ミスでペースを落とし、ヤルノ・トゥルーリ(34=イタリア)が3位、ティモ・グロック(27=ドイツ)が7位に終わった。

 スタッフたちが表彰台獲得の記念撮影に沸く中、トヨタモータースポーツの木下美明副社長(53)は参加を拒否。「悔しいし、怒ってますよ。なんで勝てるはずの車で、戦略ミスで勝ちを落としてるんだって」と吐き捨てるように言った。

 レース前の会議で、最初のタイヤ交換は、軟らかいタイヤで走った後の様子を分析して決めることになっていた。ペースが落ちず問題がなかったにもかかわらず、硬いタイヤを選択したピットの責任をうやむやにするつもりはない。木下副社長は「これから(本拠地工場のある)ドイツに帰って、カツを入れんとダメですね」と話した。

 レース後のチームミーティングでもタイヤ選択での敗北を全員が認めた。新居章年ディレクターは「予選までアグレッシブだったのに、今日は守りに入ってしまった」と反省。次戦スペインGP(5月10日決勝)での巻き返しを誓った。