ブレイヴキングス刈谷の7年ぶりの王座を目指す戦いが始まる。6月13日、ハンドボールの国内最高峰リーグHのプレーオフ(東京・代々木第一体育館)初戦となる準決勝に登場。ここ5季は全て準優勝で、いずれも決勝で豊田合成名古屋に屈してきた。今シーズンこそ、レギュラーシーズン(RS)1位通過の勢いで頂点まで駆け上がる。

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ブレイヴキングス刈谷の大黒柱、吉野樹(31)は「今年は勝てる手応えがある」と7年ぶりの頂点を見据えた。今季はチーム最多の137得点。「7メートルスローがあった(28得点)からで、本当の最多はゴメス(フィールドゴールで130得点)ですよ」と謙遜したが、昨年に続き1位で終えたRSで、攻撃陣を牽引(けんいん)してきたのは間違いない。

本職はエースポジションのレフトバックだが、同じ位置に元ポルトガル代表のゴメスが加入。司令塔役であるセンターバックを任されることも多かった。さらに、そのポジションには元ノルウェー代表のジョンセンが加わり、ライトバックには昨季からプレーする元ポーランド代表のパチコフスキーもいる。「シーズンの序盤は連係もとれなくて、うまくいかなかった」。そう明かしたが、助っ人陣とも粘り強くコミュニケーションをとり続け、バックスをまとめてきた。「話せない英語で何とかやりました(笑い)。シーズンが深まるにつれて、少しずつ連係がよくなっていきましたね」。

レフトバック、センターバックとポジションを変えながらも得点を量産。そんな男が胸を張ったのは、10年目にして初めて7割を超えたシュート率(0・717)だった。10本打てば7本以上が決まる高確率。「ずっと7割を目標にしていたので、そこはうれしい」とうなずいた。

エースとして時に強引にシュートを打つだけでなく、司令塔として味方を生かすパスで得点をアシストしてきた。「無理に打たず、フリーな味方にパスを出すとか、状況判断がよくなった」。それが、7割超のシュート率にもつながった。

個人的にもチームとしても充実したシーズンだったからこそ、優勝への思いは強い。「もう(7月で)32歳。今後こんなチャンスはそうあるものではないと思うし、今年絶対に優勝したい」。チームと日本代表でフル回転してきた疲れも感じさせず、吉野は決意を込めた。

 

【ブレイヴキングス刈谷 今季RSの記録トピック】

◆リーグ戦24連勝 これまでの16連勝を大きく更新するチーム新記録(リーグ記録はホンダの34連勝)。

◆シーズン25勝 リーグ記録

◆1試合50得点 25年12月6日のEFBM東京・神奈川戦でマークし、チーム新記録&リーグタイ記録。

 

◆昨季プレーオフVTR 今季と同様にRS上位の男子6、女子5チームが出場。男子は1回戦でジークスター東京がトヨタ自動車東日本宮城に、大同東海がレッドトルネード佐賀に勝ってそれぞれ準決勝に進出。ジークスター東京は豊田合成名古屋に、大同東海はブレイヴキングス刈谷に敗れ、決勝は5年連続で豊田合成名古屋とブレイヴキングス刈谷の顔合わせとなった。決勝戦は、立ち上がりから主導権を握ったブレイヴキングス刈谷が前半を15-14とリードして折り返したが、後半に豊田合成名古屋が地力を発揮。31-27と逆転して初代王者に輝くとともに、日本リーグ時代から5連覇を達成した。女子はブルーサクヤ鹿児島が初代女王の座に就いた。

 

◆リーグH 日本リーグを前身に生まれた国内最高峰の新リーグで、24年9月に男子14チーム、女子11チームで開幕。将来のプロ化を視野に入れ、地域名を入れたチーム名やプロ契約選手の人数、1試合あたりの観客動員などを段階的に義務化していくことも発表された。ホーム・アンド・アウェーによる2回戦総当たりのレギュラーシーズンを行い、上位チームがプレーオフに進出して優勝を争う。25-26年シーズンもチーム数は変わらなかったが、来季26-27年シーズンから男子に堺リエゾンが新たに加わる。リーグHの「H」には、「HOME」(地域とともに歩む)「HOPE」(希望をもって進む)「英知」(英知を集め、成長する)との思いが込められている。