<インディカー>◇4月29日◇第4戦◇決勝◇ブラジル・サンパウロ

 自動車のインディカー・シリーズ第4戦は、1周4・081キロのブラジル・サンパウロ市街地コースで75周の決勝を行った。今季レイホール・レターマン・ラニガンに移籍したシリーズ参戦3年目の佐藤琢磨(35)は、25番手スタートにもかかわらず、自己最高となる3位でフィニッシュ。初の表彰台に上がった。ペンスキーのウィル・パワー(31=オーストラリア)がポール・トゥー・ウィンで優勝。第2戦から3連勝とした。

 エンジントラブルのため前日の予選を走行できず、最後尾のひとつ手前25番手スタートとなった佐藤だったが、ハンディを乗り越えた。巧みなピット戦略も駆使して順位を上げ、ゴールまで15周を切ったところで5位浮上。残り7周での再スタートで昨季王者フランキッティとカストロベネスの「インディ20勝コンビ」を抜き去った。

 「2人を抜かすのは難しいと考えていましたが、彼らが思ったより早くブレーキングを始めたので、インサイドに飛び込んでいけるかもと思いました」。佐藤はそのまま3位でフィニッシュ。昨年の第11戦で記録した自己最高4位を上回り、初めて表彰台へ上がった。

 佐藤は今季ここまで3戦中、2戦で首位に立つ走りを見せながら、マシントラブルや他のドライバーの不用意な接触などで完走できずにいた。それが第4戦でようやく結果がついてきた。年間ランキングも16位から7位へアップした。「最終的に結果が得られてホッとしています。チームに3位の成績を持ち帰ると同時に、今季初めてチェッカーフラッグを受ける(完走する)ことができました。本当に最高の1日でした」と喜んだ。

 価値ある3位に入った佐藤について、エンジニアのヒューズ氏は「最後まで絶対に諦めない戦い方は、いかにも琢磨らしい。本当に限界ギリギリの走りでしたが、それでも琢磨はあくまでもフェアプレーに徹しました」と絶賛。次戦は世界3大レースのひとつといわれる「インディアナポリス500マイル(5月27日決勝)」。周囲の期待も高まるばかりだ。

 ◆佐藤琢磨(さとう・たくま)1977年(昭52)1月28日、東京生まれ。和光高時代に自転車競技で高校総体優勝。早大進学後の97年に鈴鹿レーシングスクール入り。98年に渡英。01年英国F3で日本人初の総合優勝。02年、ジョーダンでF1デビュー。04年にBARから2季ぶりのF1フル参戦。06年にスーパーアグリに移籍し。08年5月の同チームF1撤退でシートを失った。10年にインディカー・シリーズに転向。11年までKV、今季レイホール・レターマン・ラニガンに移籍した。昨季は日本人初となるポールポジションも獲得した。163センチ、60キロ。

 ◆インディカー・シリーズ

 米国を中心に転戦するフォーミュラカー(車輪が車体外部につけられたレースカー)レース最高峰シリーズ。毎年5月末に開かれる、インディ500が最大イベントで、昨年まで日本でも開催されていた。楕円(だえん)形で速度の出るオーバルコースを中心に、F1のようなサーキット、市街地レースなどコースがバラエティーに富んでいる。昨季はチップ・ガナッシのダリオ・フランキッティ(38=スコットランド)が3年連続4度目の総合王者となった。今季はホンダ、シボレー、ロータスがエンジンを供給している。

 ◆インディの日本人選手

 90年にヒロ松下が参戦後、中野信治、高木虎之介らF1経験者も含む多くの選手が参戦した。最高成績は08年にアイオワで行われた第8戦で武藤英紀(アンドレッティ・グリーン)が記録した2位。武藤は翌年にも3位に入っている。予選では昨年のアイオワでの第8戦で佐藤琢磨が日本人初となるポールポジションを獲得している。