フィギュアスケート世界女王の浅田真央(24)が19日、中京大の卒業式に出席し、「2度の五輪に出られたのも、毎日練習してきたこのリンクがあったからこそ。(今後も)拠点にしたい」と希望した。07年に同大学内に日本代表の強化拠点として完成した国内唯一のフィギュア専用リンク。学籍はなくなるが、慣れ親しんできた施設に通う。

 ソチ五輪を終えた昨年5月に休養宣言をした。以降は今春の卒業を目標に学業に打ち込み、「ホッとしている。同時にまた新たな1歩が始まると思う」と感慨深げ。注目が集まる進退だが、結論は出していない。現役ならば卒業後は所属先を決めるのが一般的だが、関係者も「しばらく決めないかもしれない」と話す。いずれにしてもスケートはやめないことを明言しており、中京大のリンクで滑りを磨く。

 式では梅村学園理事長特別賞を受賞し、壇上で表彰もされた。競技以外の友人もでき、たくさんの教えも受けた学生生活。「今度はどうなるか分かりませんが、先生方の助言を忘れずに生活していきたい」。社会人になった日本のヒロインは、どんな1歩を踏み出すだろうか。【阿部健吾】