世界選手権(8月、カザフスタン)選考会となる選抜体重別選手権は今日4日、福岡国際センターで開幕する。3日は前日会見が行われた。

 実績では断然リードする海老沼匡(25=パーク24)は、終始引き締まった表情だった。集合写真で周囲が笑うなか、口元一つ動かさない。「挑戦者。頂点まではい上がる」と語気を強めた。昨年は世界選手権で3連覇も、グランドスラム(GS)東京で阿部に敗戦。「正直そんなに脅威を感じていなかった」と甘く見ていた。負けを受け入れるには時間がかかった。今冬は欧州遠征には参加せずに調整し、「僕はいつもギリギリで生きてきた。『やはり最後は海老沼だな』と言われる選手になりたい」。王者は静かに雪辱に燃えていた。