現役復帰を目指す意思を表明したフィギュアスケートの元世界女王の浅田真央(24=中京大出)を指導する佐藤信夫コーチ(73)が18日に神奈川県内で取材に対応した。実戦復帰の時期についてはこれから見極めるとし、現時点では12月の全日本選手権を目標に練習していく考えを示した。

 佐藤コーチは浅田の状態について、ジャンプも休養前とそこまで変わらずできているとし「1年の休みがあっても、いいものができるんだなという部分がある。これからどう変わっていくか、私が1番興味津々です」と前向きに話した。

 今年1月には浅田から復帰を希望する話を受けていたという。そのときは「もう1度やることはそんなに簡単なことではないと、懇々とさとした」というが、3月にふたたび話し合った結果、まずは練習を再開するという結論に至った。1年間競技から離れた選手を指導することは佐藤コーチも初めてだと話し「試行錯誤になると思う。日々計画を変えながらになるかもしれない。慎重に進めたい」と緊張感を持っていた。

 2人そろっての練習は11日に始まったばかりで、競技用のプログラムもこれから作るという段階。今年10月から始まるグランプリシリーズの出場については「急ぎたくはない。無理も出てくる」と否定的だった。全日本選手権を目安に「まずは半年間しっかりと練習して、そこでまた判断したい」と焦らずに実戦復帰を目指す考えを示した。