昨年10月に行われた自動車のF1シリーズ、日本グランプリ(GP)で頭部を負傷したジュール・ビアンキ選手(フランス)が、フランスのニースの病院で死去したと18日、家族が発表した。25歳だった。

 F1レース中の事故でドライバーが死亡したのは、1994年サンマリノGPのアイルトン・セナ(ブラジル)以来。

 ビアンキ選手は三重県鈴鹿サーキットで、雨の中で行われたレース中に作業車に激突。意識不明の重体となり三重県内の病院に搬送され、11月にニースの病院に移っていた。家族は両病院への感謝とともに「多くのメッセージを頂き、彼が世界の人々の心の中にいたのかが分かりました」との談話を出した。

 事故から約9カ月後の訃報に、関係者も悲しみに包まれた。昨季までF1で活躍した小林可夢偉はツイッターに「日本GPでのクラッシュ以降ずっと戦ってきた彼をたたえます」とつづった。昨季にマルシャで同僚だったマックス・チルトン(英国)は「君と出会って、ともに走れて良かった」と哀悼の意を表した。