来年のリオデジャネイロ大会で5回目のパラリンピック出場を目指す男子66キロ級の藤本聡(40=徳島視覚支援学校教)が圧倒的な強さで優勝を果たした。96年アトランタ大会から3連覇を果たし、08年北京大会も銀メダル。12年ロンドン大会は代表選考会で敗れて出場を逃したが「この年齢になっても、まだいける。世界のレベルは上がっているけれど、課題を1つ1つ克服してリオを目指したい」と前向きに話した。

 藤本を破ってロンドン大会66キロ級に出場し、04年アテネ大会で銀メダルを獲得した60キロ級で再び世界を目指す広瀬誠(39=愛知県立名古屋盲学校)はライバル平井孝明(34=熊本県立盲学校)に決勝で一本勝ち。「今までで1番モチベーションは高い。来年の最終選考会で平井くんと対戦するだろうが、悔いのない試合をしたい」と話した。

 20年の東京パラリンピックが決まり、視覚障がい者に柔道も環境が変わった。藤本が「サポート体制ができたり、イベントなどに呼ばれたり」と言えば、広瀬も「アスリートが企業の支援を受けるなど、パラのステータスが上がった」と喜ぶ。もっとも、20年大会への思いは対称的。「2度とない機会。表彰台の1番高いところから、これ以上ない景色を見るために頑張りたい」と藤本が言えば、広瀬は「リオが最後。20年は後進を後方支援したい」と話していた。