スポーツクライミングのボルダリングの日本一を決めるジャパンカップが30日、埼玉・加須市民体育館で開幕し、男女の予選が行われた。20年東京五輪の追加種目として今夏に正式決定する見通しとなってから初の国内ビッグタイトル。女子の第一人者で予選1位の野口啓代(あきよ、26)は「壁も仮設のしっかりしたものを用意してくれた。ルートも世界大会を意識しレベルは高かった」と取り巻く環境の変化を感じ取った。

 これまでは施設に備え付けの壁を使ってきたが、今回は主催の日本山岳協会が10日間で工費500万円以上の規模で仮設の壁を用意。観客も例年は予選ではまばらだが、五輪の追加種目候補としての関心の高まりを示すように約400人が声援を送った。

 予選は男女とも31日の準決勝に20人、同決勝に6人が進出する。女子は野口の10度目の優勝が、男子は杉本怜(24)の連覇がかかる。男女優勝者は2年に1度開催される世界選手権(9月・パリ)の出場権を得る。