世界3位のスタン・バブリンカ(31=スイス)が、4大大会通算3度目の優勝を飾った。同1位で2年連続3度目の優勝を狙ったノバク・ジョコビッチ(セルビア)に6-7、6-4、7-5、6-3の4セットで勝ち、35歳で70年に優勝したローズウォール以来の年長優勝者となった。また、ツアー決勝では04年から負けなしの11連勝。

 マッチポイントが決まると、バブリンカは疲れ果てた顔で喜びを爆発させることもできなかった。じんわりと両手を上げたが、その表情には疲労の色が濃かった。「もうすべて出し尽くした。何も残っていない。空っぽだ」。20歳の恋人で選手のベキッチが、関係者席で必死に涙をこらえた。

 ジョコビッチは3試合を棄権で勝ち上がり、決勝まで6試合で合計試合時間は約9時間。バブリンカは、倍の約18時間もコートに立ち続けてつかんだ栄冠だ。3回戦の最終セットでは相手にマッチポイントを握られたこともあり「優勝なんて思ってもみなかった」。

 両足の指にまめができたジョコビッチが、十分に走れなかったことにも助けられた。また、04年から決勝に進んだ10大会はすべて優勝と、決勝にはめっぽう強い自信が後押しした。「すばらしい優勝だった。最高の気持ちだ」。この優勝で年末の年間上位8人だけが出場できる最終戦ATPツアー・ファイナルの出場も早々と確定した。【吉松忠弘】

 ◆スタン・バブリンカ 1985年3月28日、スイス・ローザンヌ生まれ。8歳でテニスを始める。06年、クロアチア・ウマグでツアー初優勝。14年全豪で4大大会初優勝。ツアー通算15勝。自己最高は世界ランキング3位。183センチ、81キロ。

 ◆WOWOW放送予定 15日午後3時半~、同日午後5時~、WOWOWライブ。男女シングルス決勝。録画。放送時間変更の場合あり。