リオデジャネイロ五輪後初の公式戦に臨んだ白井健三(20=日体大)が、得意の床運動で16・750の驚異的な高得点をマークした。今年2月のアゼルバイジャン国際で手をつくミスをして以来「やる必要がない」と封印してきた最高H難度の大技「シライ3(後方伸身2回宙返り3回ひねり)」を完璧に決め、その後のひねり技も次々とピタリ。昨年8月アジア選手権での自己最高16・800に迫る高得点に「やりきった感はある。すがすがしい気持ち」と笑顔で話した。

 連覇を狙ったチームは、0・050点差で順大に敗れて2位。「点数はまったく分からずやったけど、意外と惜しかったなという感じはあります」と話しながらも「選手はみんな思い切り楽しんでやっていた。今は、うれしい気持ちでいっぱいです」と満足そうだった。床運動と跳馬のスペシャリストだが、目指すは内村航平らのようなオールラウンダー。この日は平行棒とつり輪にも出場し、平行棒で出した15・300の高得点には「それもうれしいことの1つ」と笑った。

 4年後の東京五輪に向けて、この日は「白井世代」が躍動。高校時代から競い合ってきた萱和磨、千葉健太、谷川航の「2年生トリオ」が活躍した順大に優勝はさらわれたが「若い選手たちがアピールできたと思う」と話していた。