2020年東京五輪・パラリンピックの会場計画見直しで検討されていたボート、カヌー・スプリント会場の宮城県登米市「長沼ボート場」への変更案が見送られる方向となったことが24日、関係者の話で分かった。

 コスト削減を目指す東京都が示した長沼案に対しては、選手村が分村となることなどから競技団体が強く反発。現行計画の「海の森水上競技場」の建設を中止した場合に補償費用が発生することもネックとなっていた。

 会場計画の見直しは27日にも開かれる見通しの国際オリンピック委員会(IOC)、大会組織委員会、東京都、政府の4者による作業部会で協議され、さらに29日開催予定の4者のトップ級会合で結論を出す予定。

 バレーボール会場は「有明アリーナ」(江東区)を新設する案と、既存施設の「横浜アリーナ」(横浜市)を活用する案が残っているが、横浜アリーナは周辺に大会運営に必要なスペースが足りないことなどが課題となっており、競技団体も反対している。

 水泳会場の「五輪水泳センター」(江東区)は観客席を当初計画の2万席から1万5000席に減らし、大会後に規模を縮小する「減築」は、費用がかさむことから取りやめる方向となった。