フィギュアスケート男子の羽生結弦(22=ANA)が「超人」宣言だ。13日、グランプリ(GP)ファイナル4連覇を達成したフランスから帰国。ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(20)がW杯47勝で「鳥人」ニッカネンを超えたことに触れて「僕なんか4連覇しかしてない。超人のようになりたい」と発言。次戦の全日本選手権(22日開幕、大阪)は5連覇に照準。同選手権で佐野稔以来40年ぶりの偉業でまずは時を超える。

 羽生が早くも全日本選手権を見据えた。GPファイナル4連覇の凱旋(がいせん)帰国も「今回の優勝は非常に悔しい。課題が見つかった。今はこの悔しさを晴らせる舞台があると思ってます」。同ファイナルはフリーのジャンプで転倒した。ノーミスの演技を見せるチャンスは残っている。

 男女通じて史上初のV4にも浮かれない。羽生は、同じ18年平昌五輪に照準を合わせる高梨について触れた。W杯47勝を達成した20歳について「とうとう鳥人ニッカネン超えて。それこそ僕なんか4連覇しかしてない。さらに伸ばしていきたい」ときっぱり。その上で「超人のようになりたい」。羽生にとって超人はロシアの皇帝プルシェンコだ。小学校時代は髪形をまねたこともある。「僕はプルシェンコに憧れて、ここまで来ている。ミスしない、演じきる。毎回毎回ミスしているようじゃダメ」。今季1度も成功していないフリー後半の4回転サルコーをしっかり決める構えだ。

 鬼門のジャンプが決まれば、12年からの全日本選手権5連覇もグッと近づく。達成すれば、同選手権男子シングルでは佐野稔(72~76年)以来40年ぶりの快挙になる。23日の男子ショートプログラムまでわずか10日しかないが「調整よりも練習して成長できればいいと思います。記録は続くものだと思っているので、まだ続けるようにしたい」と疲れも見せずに堂々のV5宣言。ジャンプの女王から刺激を受けて、羽生がさらに強くなる。【益田一弘】