札幌市などで2月に開かれる冬季アジア大会の選手村に、南京大虐殺を否定する本が置かれていることが中国で批判されているアパホテルが使われることが19日、大会組織委員会への取材で分かった。

 組織委によると、選手村になるのは札幌市南区のアパホテルと、中央区にある別のホテル。大会期間中を含む2月16~27日は組織委がアパホテル全体を借り上げる。選手村は30の国と地域の選手らが使用する予定。

 組織委は、今回の問題についてアパホテル側に具体的な要望は出していないとした上で「選手村になるホテルには、偏見や差別の問題が起きないように、スポーツ理念に基づいた対応をお願いしている」としている。

 ホテルを運営するアパグループは「本の内容に誤りはないと認識しており、仮に申し出があっても撤去は考えていない」とする一方、客から要望があった場合は「本を一時的にフロントで預かるよう、全国のホテルに指示することを検討している」とした。