世界17位のロジャー・フェデラー(35=スイス)が、7年ぶり5度目の優勝を果たした。同9位のラファエル・ナダル(30)に6-4、3-6、6-1、3-6、6-3で勝ち、自身が持つ4大大会の男子の歴代最多優勝回数を18に更新した。35歳での優勝は68年のオープン化(プロ解禁)以降の4大大会で、71年に36歳、72年に37歳でともに頂点に立ったローズウォール(オーストラリア)に次ぐ年長記録。フェデラーは今日30日発表予定の世界ランキングで10位に復帰する。

 もしかしたら、偉大な両者の最後の4大大会決勝だったかもしれない。センターを埋め尽くした1万5000人の観客は、郷愁とともにテニスの歴史に酔いしれた。「人生の中で最も美しい感動的な日だ」。フェデラーは、若い時と同様に顔をくしゃくしゃにし涙にぬれた。

 最後のマッチポイント。フェデラーのフォアは審判の判定はイン。ナダルがビデオ判定を要求したが覆らなかった。04年の初対戦から通算35戦目の決着は、最新機器でもたらされた。「ちょっと戸惑った。でもすぐに信じられない感情がわいてきた」。