フェデラーが勝ってナダルが敗れた。しかし、そこに勝者と敗者はなかった。「お互いに特別な存在だ」。両者合わせて計32度の4大大会優勝。3時間38分のドラマは、テニスの歴史そのものだ。その証人になろうと、定価で最高額の774豪ドル(約6万8000円)のチケットは再販で2万5000豪ドル(約220万円)までつり上がった。

 フェデラーは、昨年2月、左ひざの内視鏡手術を受けた。昨年7月以降の大会を欠場し、世界ランクは17位にまで転落。「5カ月前には、この2人で決勝で戦っているなんて思わなかった」。昨季、両雄の時代は終わったと言われた。今季は世界1位のマリー(英国)と同2位のジョコビッチ(セルビア)が君臨し、そこに錦織らの中堅、新世代が絡むと予想された。しかし、両者は不死鳥のようによみがえった。【吉松忠弘】

 ◆ロジャー・フェデラー 1981年8月8日生まれ、スイス・バーゼル出身。09年、男子6人目の生涯グランドスラム。04年2月から08年8月まで史上最長の237週連続で世界ランキング1位となり、通算302週も史上最多。185センチ、85キロ。35歳。

 ◆WOWOW放送予定 2月2日午後5時半~、午後7時~、男女シングルス決勝。同4日午前7時15分~、午前8時15分~、車いすテニス男女シングルス決勝。同5日午後9時~、全豪オープン総集編。WOWOWライブ。録画放送。放送時間変更の場合あり。