勝利が難しい状況になっても貪欲だった。「ワイルドカードを考えたら、少しでも得失点差を詰めておかなければならない」。新潟はワイルドカードを京都、大阪と争っている。この試合に敗れて19勝19敗と同勝率で3チームが並んだが、得失点差では大阪に続く3位だ。

 この状況が続けば、対戦相手同士の得失点差で順位が決まる可能性もある。「だから1点でも取らなければならない」。たとえ勝てなくても、最後まで可能性を追求する。五十嵐はそんなメッセージを、プレーを通してチームメートに送った。

 連勝を狙った2戦目、新潟は1試合平均21・6点のガードナーが左腕をつった状態でベンチを温めた。3点シュートの成功率39%のスモールフォワード(SF)池田雄一(33)も前日の試合で左足を痛め欠場。第2Qではシュートの精度を欠き、わずか8得点にとどまった。

 だからこそ、五十嵐は丁寧なプレーを強調した。「スクリーンを、しっかりかけるなど、細かい精度を上げればもっと得点できる」。次節(22日)は中2日でSR渋谷戦。「どういうプレーが必要か。これからは練習の時から言葉に出していかないと」。視界に入っているチャンピオンシップ進出に向け、大黒柱が前面に出る決意を見せた。【斎藤慎一郎】