石川佳純(24=全農)が4年ぶり3度目の優勝を果たした。決勝で伊藤美誠(16=スターツ)を4-2で撃破。1月の全日本選手権決勝では同じ16歳の平野美宇(エリートアカデミー)に敗れ、4連覇を逃した。自信を失うほど落ち込んだが、攻めのプレーで楽しむとの初心に戻って、今大会制覇につなげた。

 朝8時から長蛇の列ができ、当日券は完売。3100人の超満員で埋まった会場で、石川がエースの貫禄を示した。「全日本選手権で負けてから初心に帰ることを意識した。今日はたくさんの人の中でのプレーが幸せだなと、あらためて感じた」と笑顔をあふれさせた。

 全日本選手権後、たくさんの人から励ましや、アドバイスを受けた。「守りに入りすぎていた」「負けてもいいんだ」。国内では負けられないというプライドが、自らに重圧をかけている。分かってはいたが「人に言われるとよくわかる。ありがたかった」と振り返る。

 「今日は久しぶりにすっきりした試合。3、4年ぶりかな」。エースの完全復活は、世界選手権(5月29日~6月5日、ドイツ・デュッセルドルフ)に向けても大きい。優勝賞金100万円に関しては、少し考えてから「強化費に使います」。今は卓球にすべてをかける。